一流の「サービスの地下室」。
それは「声だけの世界」。そこには「沈黙の階段」がありました。
沈黙の階段を降りていくと一流の「サービスの地下室」へたどり着きました。
きのう、六本木ヒルズの672席の巨大スクリーンで、映画『永遠の0』を見てきました。
零戦の時代、1945年の終戦。そして、20世紀の後半は0から復興した日本はものづくりで世界を席巻していくことになります。そして、21世紀へ。時代は「モノづくり」から「サービス」へと移り変わって行きました。
2013年の年末、年越しの1冊として手にした本が、今日紹介するのは、
『期待以上に応える技術』(網野麻理,フォレスト出版)
です。
きのう映画『永遠の0』を見ているときに心の奥底で感じた何かと、この本から受け取ったエネルギー感が、どこから深層でつながっているような気がし、こうしてパソコンに向かいました。
いい本の条件。それは、
頭の中に「!」が浮かぶ数よりも
頭の中に「?」が浮かぶ数が圧倒的に多い
ということ。
別な言い方をすれば「インスピレーション」をもたらしてくれる一冊。
この本には、子供が母親にするように、著者に「なんで?」と聞きたくなる「?(謎)」がたくさんあふれていました。
謎といえば、私にとっての最大の謎は、この本を読み終えた後に生まれました。本を机の上に置くと、なぜかワインの香りがしてきということでした。そして、次の瞬間「なぜワインセラーは地下室にあるのか?」という問いとともに、この本に感じた深みが言葉となり私の脳裏に浮かびました。
その言葉とは、
一流の「サービスの地下室」
というひと言でした。
サービスの裏側でなく「サービスの地下室」へと思いをはせる本。
テレビで「○○サービスの裏側」というコーナーを目にすることがあります。この本はVIP向けサービスの裏側というより、「サービスの地下室」がのぞける本です。地下室には「謎」が満ちている。
この本で繰り広げられる「謎」はどこかにある「一流のサービスの地下室」へつながっていて、その「サービスの地下室」で時間をかけて育まれたサービスの本質が見えてきます。
地下には「謎」が満ちています。「サービスの地下室」にあふれていたのは、赤ワインのような血の通った「お客さま一人」を愛するやさしい気持ち。熟成されたワインは、一流のサービスの本質に通じていて、どちらも「自然と時間と環境」の中で育まれる。
サービスの本質は「目に見えないところ(地下室)」にある。あれもこれも必要なくて、大切にしたい「1/100」にフォーカスすると、シンプルになれる。そんな深い気づきをくれる本です。
2014年は「おもてなし元年」。日本が日出ずる国へと向かう6年間の最初の年。それは「ものづくり大国」から「おもてなし大国」へと日本が「軸足」を大きくシフトさせていく時代でもあります。その最初の一歩に「サービスの本質」に触れる一冊としてぜひご一読してみてください。
きっと、著者に直接会ってみたくなります。
【本文より引用】
「お客様を“一人ぼっち”にさせない」
「心に存在する5つの扉」
「「いつも」を使う」
「自分の感情が声に出ている」
「「3」ルールでお客様を待たせない」
「声だけの世界ですから、・・・メモすることを心掛けていました」
「感情は複数の気持ちで形成されている」
「間を埋めると電話を切られる」
「軸を示して自由にまかせる」