トヨタの「改善は紙1枚で!」vs 日産の「改善は図解で」!?


 

今日の1冊は、図解本です。

『誰でもデキる人に見える 図解de仕事術』
多部田 憲彦、アスカビジネス

http://amzn.to/106fRe7

多部田

 

▼図解本の鍵は「R」

この本を手にした理由はシンプルでした。
それは、日産の「改善は図解で!」を見てみたかったからです。

著者は、タイ工場で、図解で言語の壁を越えたコミュニケーションを実施し、
数々の改善で実績あげてきた人物。その図解がどんなものなのか。興味を
もったからです。

前職でのタイ工場や日産の仕事の現場での
実際の活用シーンは出てきませんが、
そのエッセンスは目にすることができます。

世の中には図解本はたくさんあります。
私が図解本に求めることがたった1つです。
それが「R:リアリティ」です。どこで使われていた図解なのか。
という一点です。

つまり、実際の企業の現場で使われているかどうかが大事です。
その点、この本には、あのゴーン改革のお膝元に日産で、
そして、著者の前職時代、タイ工場で実践された図解を
ベースにしています。

 

▼トヨタの「紙1枚」!日産の「図解」!?

トヨタの「改善は紙1枚で!」というのは有名ですが、日産については

トヨタの「改善は紙1枚で!」というのは有名ですが、日産については
「ゴーン改革」とう言葉に代表されるように大がかりな仕掛けばかりが
クローズアップされ、日々、現場で実践される「改善」がどのようなか
たちで実現されているのかが見えてきません。

本書の中で、著者の前職でのタイ工場での実践や日産の現場で、
「改善は図解で!」ということがどのようなかたちですすめられているかの
具体的な事例はほぼ出てきませんが、そのエッセンス(つまり、著者が使って
いる図解のフォーマット)は見ることができます。

 

▼ニューヨークでも「図解」は効く

図解本デビューの方、初心者の方には、最初の1冊としていいでしょう。
1時間で読めて、すぐ使えます。改善の玄人の方や図解本を何冊も読まれて
いる方は、一度書店でチェックしてみるといいかもしれません。

この本を読み終えたとき、ふと脳裏に浮かんだひとつの記憶があります。
それは、外資系投資顧問会社に勤務する知人のひと言でした。

「ニューヨークでも、図解は効く」

彼女はニューヨークで、投資先の社長との面談でよく図解を使い英語でコミュ
ニケーションをしたそうです。MBAをもつ彼女。英語に不安はありません。
でも、コミュニケーションの質とスピードという点では、「図解は効く」という
のが彼女のたどりついた結論です。

グローバル化する企業の中で、「社員の英語の壁をなんとかしなければ」という
ところにフォーカスをあてている企業はたくさんありすが、「まずは図解で英語
コミュニケーション」というところからスタートしている企業は少ないような気が
しています。

コミュニケーションは、時間をかけてスキルを鍛えるのも大事ですが、まずは手軽に
使える道具でひとまず相手と対話をスタートする。その際、図解は「効く」道具です。

図解は苦手・・・。と避けてきた方は、これからのビジネスのひとつの武器として
図解という道具を手に入れてみてはどうでしょうか。

高橋政史 の紹介

高橋政史(たかはし・まさふみ) クリエイティブマネジメント株式会社 代表取締役。1967年、群馬県高崎市生まれ。メーカー勤務時代に3tトラック1台分の営業資料を畳4畳半ほどにスリム化。その後、香港のマーケティング 会社のCOO(取締役)を経て、戦略系コンサルティングファームにて経営コンサルタント。現在、戦略立案から会議・報告書・プレゼンまで、すべての仕事をフォーカスする「仕事のGPS」研修を実施。主な導入実績は、IT企業、金融機関、通信会社、商社、外資系金融機関、自動車メーカー、事務機器 メーカー、通販会社、流通企業、精密機器メーカー、医療機関他。 また、【読み・書き・プレゼン「1枚の学校」】を主催。ビジネス・パーソン、経営者、教育関係者、医師、現役官僚、大学教授まで、幅広い層が参加している。 著書 『100のスキルよりたった1つの考え方で仕事が変わる』(最新刊4月15日発売)『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』(11刷5万部突破)『必要な知識を15分でインプットできる速読術』(クロスメディア・パブリッシング)、『マインドマップ 問題解決』『マインドマップ会議術』(ともにダイヤモンド社)。 クリエイティブマネジメント 公式サイト http://www.creative-management.jp
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