【今日の1冊】
■100の研修より一生モノの「教わる技術」
本を読みながら、本に向かって「すいません」とつい言って
しまっている自分がそこにいる。そんな本です。
『その自己中マナー、失礼です!!』
3秒で身につく!新社会人の徹底マナー
河村晴美、経済界
http://amzn.to/12JSqva
いま企業研修の講師として引っ張りだこの著者が
「研修をうけなくても大丈夫!」と主張する1冊。
「新人に求めるたった1つのコト」から「最強の武器=礼儀」まで、
新人のころに身につけておきたいけど、じつは多くの人が身につけていない
大切な「1つのコト」を教えてくれます。
マナーと書いて「礼儀」と読む。この本を読み終えたとき、
私の口をついて出てきた言葉です。この本で伝えているところは、
マナーというより「日本人の礼儀」というニュアンスに近い。
さらっと読めますが、深いです。踏み込んでいえば、
マナーという皮をかぶった「生き方」の本といえます。
新人向けの本と思って、軽い気持ちで臨むと、
「喝!」と叱られてしまう本です。
・「教わる技術」は、生きるチカラ
その中でも私がフォーカスしたのは「教わる技術は生きるチカラ」という考え方。
「教える技術」や「学ぶ技術」という言葉はよく耳にしますが
「教わる技術」という言葉は耳慣れない言葉。
でも、この「教わる技術」ほど、私たちができれば子供のころに、
遅くとも新人のタイミングで手にしておきたい生きるチカラ。
▼「教わる技術」と「5つの力」
新人の人たちと接していると、よくこんな言葉を耳にします。
「それ、教えてもらってません」
「マニュアルをください」
「研修を受けていません」
こんなことをいう新人は、著者から「そこのあなた!」と
叱られてしまいます。
理由は、どれも必要ないからです。
たった1つの技術を身につけていえれば。
それが「教わる技術」です。
著者は、言います。
あなたがいっさいの研修なしという会社に就職したとしても大丈夫です。OJTで、仕事のできる人が何をしているかを真似しよう。大切なのは、問題意識を高くして、気づき力の感度をあげることです。たとえば、先輩の仕事の段取りをそばで観察・・
この短い一文の中に「教わる技術」を構成する「5つの力」が隠れています。
1.研修より「真似ぶ力」
2.知識より「問題意識力」
3.能力より「気づき力」
4.計画より「段取り力」
5.勉強より「観察力」
この「5つの力」。じつは、優秀なコンサルタントが共通してもつ力でもあります。
師を見つけ、師を真似ぶ。
そのために、問題意識のアンテナを高く立てておき、
師の何気ない言葉、行動をじっくり観察して、
その中から、仕事で成果をあげるコツを気づき、
気づいたコツを、自分の血肉にできるように段取りをきっちりする。
「教わる技術」は「生きるチカラ」
そこにビジネスの世界で成功すための鍵があります。
ビジネスの世界に入って早い段階から「5つの力」の強化に取り組みたいところです。
▼「教わる技術」で生きるチカラ!3つのエピソード
「教わる技術」の原点に著者のエピソードあり。
3つピックアップしてみました。とくにツッコミたくなったのは、
「なんで、小学校から「私の履歴書」読んでるの?」
1.私は日本経済新聞の「私の履歴書」を小学校のときから
読んでいました
2.郷ひろみの「へそからビーム」で「ありがとうっ!」
3.大学2年生の夏休み、京都で遺跡発掘のアルバイトをしました
▼だれでもできる1アクション
「美容院へは、靴を磨いていきなさい」 P185
▼【今日の教訓】
ピンボケ君の三種の神器は、
「研修・マニュアル・教えてもらう」
フォーカス君は師を見つけ
一生モノの「5つの力」を鍛える
以上。いかがでしたか?
ビジネスは数学に似ています。
応用問題ばかり解く練習をしていても基礎が
できていなければ、問題のレベルが高くなれば
なるほど行き詰まるように、ビジネスでもまず
押さえたいのは基礎。
その基礎中の基礎が「教わる技術」。
でも、なぜか「教わる技術」を教えてもらった経験の
ある人はほとんどいません。
きっと、著者は新人の基礎体力のなさを日々、間の
あたりにする中で、
「なんで、こんな大事な生きる力を、
誰も、これまでに教えてあげなかったんだ」
そんな思いで、この本を書いたのではないでしょうか。
その文体からその熱意が伝わってきました。
新人の方、新人を受け持つ上司の方はもちろんのこと、
これから仕事の高みを目指すビジネスパーソンの
基礎固めにおすすめできる一冊です。
『その自己中マナー、失礼です!!』
3秒で身につく!新社会人の徹底マナー
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