【今日の一冊】「知は”いのち”なり」〜「情報の価値」が「いのちを守る」時代


 

▼「知は“いのち”なり」〜「情報の価値」が「いのちを守る」時代

『知の逆転』をはじめ一流の叡智を手軽な価格で手渡してくれるNHK出版新書。
そのNHK出版新書で不思議な魅力をもつ本に出会いました。

『いのちを守る 気象情報』斉田季実治、NHK出版新書

http://amzn.to/10N3A35

斉田さん

この本に、なんで不思議な魅力を感じたのだろう?
そのボンヤリとしていた気持ちが確信に変わったのは、

「私は熱中症になった唯一の気象キャスターかもしれません」

この一文からはじまる124Pから134Pの10Pを読んでいる最中でした。

「あれは熱中症だったんだ・・・」

私は心の中でそうつぶやいていました。
この10Pを読んでいるうちに、中学時代の陸上部での夏の練習のときに起きた身体の異変から
昨年の夏家族に起きたできごとまで、「そうか、あれは熱中症だったんだ・・・」と
思い当たるシーンが次から次へと脳裏に浮かんできたのでした。

その次の瞬間、背筋がゾッとする思いがしました。
目からウロコが落ちるという本はありますが、
背筋がゾッと凍るような体感をする本に巡りあうことはあまりありません。

天気予報でよく耳にする「熱中症に気をつけてください」という「気象情報」。
このひと言の情報がもつ重み。その「情報の価値」が、私の中でガラリと変わった瞬間でした。

読み終えたあと、

「知は“いのち”なり」

というひと言がふっと脳裏に浮かびました。

「知は“チカラ”なり」と言いますが、
知とは、知り得た情報を解釈し、必要な行動へと導くものです。
そして、情報⇒解釈⇒行動により、未然に防げるリスクを最小化し、
得られるメリットを最大にすることが知の役割です。

その意味で、私は気象情報を生かす知をもっていませんでした。
その知識の不足が、じつは重大なリスクをもたらしていたということも知らずに・・・。

この本は、たとえるなら『家庭の医学』の「気象版」。
『家庭の気象学』とでもいいましょうか。
「医学の知識」、「気象の知識」どちらも知識として押さえておくことで
「いのちを守る」ために必要な行動をとることができる実践知です。

ここでは、「熱中症」というひとつの情報にフォーカスしましたが、

・著者の「空」を見上げていた少年時代のエピソード
・気象情報にかける「冷めない情熱」
・なぜ「気象情報」が「いのちを守る」のか。その理由

など、読み応えのある一冊です。

ぜひ、ご一読ください。

高橋政史 の紹介

高橋政史(たかはし・まさふみ) クリエイティブマネジメント株式会社 代表取締役。1967年、群馬県高崎市生まれ。メーカー勤務時代に3tトラック1台分の営業資料を畳4畳半ほどにスリム化。その後、香港のマーケティング 会社のCOO(取締役)を経て、戦略系コンサルティングファームにて経営コンサルタント。現在、戦略立案から会議・報告書・プレゼンまで、すべての仕事をフォーカスする「仕事のGPS」研修を実施。主な導入実績は、IT企業、金融機関、通信会社、商社、外資系金融機関、自動車メーカー、事務機器 メーカー、通販会社、流通企業、精密機器メーカー、医療機関他。 また、【読み・書き・プレゼン「1枚の学校」】を主催。ビジネス・パーソン、経営者、教育関係者、医師、現役官僚、大学教授まで、幅広い層が参加している。 著書 『100のスキルよりたった1つの考え方で仕事が変わる』(最新刊4月15日発売)『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』(11刷5万部突破)『必要な知識を15分でインプットできる速読術』(クロスメディア・パブリッシング)、『マインドマップ 問題解決』『マインドマップ会議術』(ともにダイヤモンド社)。 クリエイティブマネジメント 公式サイト http://www.creative-management.jp
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